特別企画「教えて先輩!」
メールインタビュー

​名古屋芸術大学を卒業し活躍する先輩たちを、在学生がインタビューする企画です。こちらではメールでのインタビューを掲載。その他、番組内でも様々な卒業生にインタビューをおこなっています。

小田智之氏インタビュー

チーム「動物の森」では、芸術学部 芸術学科音楽領域サウンドメディア・コンポジションコースを卒業し、現在は作編曲・録音を行いながら演奏活動をされている、小田智之さんにメールインタビューをおこないました。

小田智之(作曲)

1998年 愛知県小牧市生まれ
2021年 名古屋芸術大学サウンドメディアコース 卒業

主に作編曲・鍵盤演奏をする。きわめて最高なエンターテイメントセカイ系音楽集団「MURAバんく。」(ドクター=ODとして)所属。AiemuTVでの演奏や、The Shiawase、くすり、福永倫子などのアーティストの鍵盤サポートを務める。マルチメディアな表現にも積極的に取り組み、在学中にはボーカロイドを使用した楽曲を、3DCGと実写を合成した映像と共にリアルタイムで生演奏で配信した。現在も、名古屋と東京を中心に制作・演奏活動を行っている。

​卒業生メールインタビュー 

① 小田さんと音楽の出会いについて
音楽の道に進もうと思ったきっかけは何ですか?

幼稚園児の頃、NHKの番組「おかあさんといっしょ」を踊りながら見ていた私を見て、母がYAMAHAに連れて行ったそうです。
小学生の頃は、好きなゲームやアニメで流れる音楽ばかり聴いていました。高校生になり、VOCALOIDを知って自分で作曲するようになってから、音楽の道に進みたいという気持ちを持つようになりました。

② 小田さんにとってのゲーム音楽とは?

日常でした。小学生の頃は文字通り毎日ゲームをしていたので自然と、ゲーム音楽を一番聴いていたと思います。家には父母が当時からやっていたゲームが沢山あって、その中からいつもお気に入りのゲームを掘り出しては遊んでいました。思い出してみると「電車でGO!」や「スマブラ」や「コロリンパ」や「メタルギア」など、ゲーム内でBGMを聴ける機能があれば、本編を遊び終えても音楽だけを聴くためにゲームを点けたりしていました。小学生の時には「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「東方」などのゲーム曲を耳コピしたりインターネットから楽譜を探したりして、よく演奏していました。


③ 今まで作ってきた音楽について教えてください。

その時によって自分の作りたいジャンルや、方法論は変化し続けているように思います。作曲を始めたときは、音楽の友達も居なくて一人で黙々とDTMしていましたが、大学に来てから本当に視野が広がって、音楽をやる仲間と対面しながら音楽を作るということも出来るようになりました。いろいろなジャンルやシーンの中で音楽と関わることで(そして、作曲、演奏、録音など様々な関わり方で)刺激を受けて、また、これから作曲していくときにその肥やしになっていくと思います。

④ 作曲するときに気を付けていること(意識していること)は何ですか?

(自他共に)感情を動かすことができる音楽かどうか、ということはよく考えているかと思います。歌もの、インスト、劇伴など分野に関わらず、音楽は人の心に影響を与えるもの(影響を与えることのできるものが音楽)だと思っています。自分自身の創作活動なら、「こういう景色をみたい(みせたい)」「こういうエモーショナルを感じたい(共有したい)」「この気持ちを昇華させてあげたい」といったことが原動力になっています。自分自身にとって心が動く音楽を作っていきたいし、それが独りよがりにならず他者にも届くことが目標です。逆に依頼で作曲するときでも、相手が満足するだけでなく自分自身も納得がいくようにコミュニケーションを取りながらすすめることを意識しています。


⑤ 好きな音楽のジャンルについて

決まったジャンルに依らず聴いています。小学生の頃はゲーム音楽を一番聴いていて、中学生の頃はアニメやドラマの主題歌・サウンドトラック(ひたすらレンタルショップで借りていました)をよく聴いていて、受験期にはミニマル・ミュージックやハウスミュージックにもお世話になりました(緩やかに展開して主張しすぎない余白が勉強に集中しやすい)。高校生になるとそれらの音楽に加えてボーカロイドやJPOP、EDMやジャズなどを聴くようになりました。大学からはさらに広い音楽の世界を知って、今もその道中です。私自身がその時々によって心理状態や、求めているものが変わっているので、それに合わせて必要になる、欲している音楽ジャンルも変わっているように思います。

⑥ 初めて買ったゲームは何ですか?

ゲームが買えるほどお小遣いを貰えない家だったので、小学生の頃は誕生日プレゼントで買ってもらうことが多かったかと思います。(記憶に残っている最初のおねだりしたゲームはスーファミの「スーパーマリオコレクション」です) お年玉などを組み合わせて始めて買った(といえるのか?)のがPSPと「モンスターハンターポータブル 3rd」でした。ゲームもハマりましたが、PSPの中に好きな楽曲をたくさん入れてコレクションしていました笑

⑦ 好きなゲームや、思い出に残っている場面を教えてください。

色々あるので、とてもじゃないけど選びきれないですが…笑
MOTHER2、全編世界観、エイトメロディーズのシーン、スーパーマリオギャラクシー、宇宙に飛び出すワクワクと壮大なオーケストラBGMにずっと浸っていました。SEKIRO、葦名弦一郎を倒せたときの達成感が凄くまさかまだまだその続きがあるとは思っていませんでした。メタルギアソリッド2の終盤、アーセナルギアでのどんでん返しなストーリーにドキドキしました。プレイした当時がトランプ政権が動きだした頃で社会風刺的にも非常に刺さる内容でした。映画の劇音楽のような音楽もとても好きです(MGS3も)。スプラトゥーン、戦争を題材にしたタイプのFPSゲームに疲れていたときなのもあり、イカがインクを打ち合って戦うという革新的なアイディアで作られたこのゲームに夢中になりました。BGMはゲーム内の世界で実際に流行っている架空のバンドが手掛けていて、音楽も素晴らしいです。スプラトゥーン2でより多彩でプログレッシブなバンドが増えて、好きです…。

⑧ 小田さんが思う一番傑作だと考えるゲーム音楽は何ですか?

ドラゴンクエストIIIの「おおぞらをとぶ」です。初めて耳にしたのはドラゴンクエストVIIIをプレイしていたときだったのでが、その音楽の素晴らしさに操作を忘れて聞き惚れていました。音楽とともに私自身も空を旅しているような不思議な感覚になって、ゲーム(とゲーム音楽)の素晴らしさに感じました。また、ドラゴンクエストコンサートで行ったときにゲーム音楽がゲームの枠を越えて、オーケストラの演奏会になっていることに驚きました。元々ゲーム音楽はBGMとして、ゲームを盛り上げるための副次的なものであったのに対して、ゲーム音楽が音楽単体で飛び出していくということに可能性を感じました。(同様にメタルギアソリッド3「Snake Eater」も大好きです。逆にゲーム体験をより没入させるBGMとして、ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドの音楽も大好きです。そこでは、シチュエーションに応じて音響効果を狙ったような音楽が使われます。ゲーム内容に合わせてテンポやリズムも連動する音楽は、無意識下でゲーム体験を向上させています)

⑨ 小田さんの現在の活動について教えてください。

現在は作編曲・録音をフリーランスで行いながら、ポップス・ジャズの分野で鍵盤の演奏活動しています。昨年は幅広い音楽と触れることで、刺激を受けながら活動することが出来ています。また、縁がありまして卒業後4月より 長久手市文化の家とアーティスト契約を行い、創造スタッフとしての仕事も行っています。私が所属しているバンドMURAバんく。では、今メンバーが東京に居てコロナ禍で不自由な面もありますが、葛飾出身氏と行ったYoutubeレコ発など逆境を武器にした活動を行っています。学校の同期で結成したThe Shiawaseというバンドのサポートでは昨年末に幕張メッセで行われたカウントダウンジャパンに出演しました。

⑩ これからの目標について教えてください。

私の中では、大きく2つの軸があり、
・音楽で食べていくこと
・自分の好きな音楽を追求していくことがあります。
音楽ビジネスが回っているのはやはりポップスだとひしひし感じます。特に今はインターネット発のVOCALOID文化やSNS主の音楽もマジョリティになって来ています。なので、音楽で食べていくためにはその音楽シーンで戦うことは一つ大きなアドバンテージになると感じています。しかし、大学に来て、伝統的な音楽(クラシックやアカデミックな音楽)や実体を持った音楽(バンド、セッションなど)も知ることが出来ました。その経験を活かして、バーチャルな音楽(ゲーム音楽も含む)と実音楽(バンド、セッションなど)のそれぞれの良さを活かしたような音楽を作っていけたらと思っています。また、今年は演奏だけでなく、ゲーム・劇音楽の制作や、自分自身の制作活動もより力を入れていけたらと思っています!

小田先輩!インタビューへのご協力、ありがとうございました!
今後もご活躍ください!

2月23日(水・祝)16:00~16:45「Game Musicの魅力について語ろう!」の番組内でも
小田智之さんにについて、チームからご紹介しています。ぜひお聴きください!